2025-07-30

~零れ話~ 「ねぶた」と蚤(のみ)

 nebuta


例年8月に催される東北三大祭りの一つ、「青森のねぶた」。
この「ねぶた」ですが、そもそもが「ねぶたい(眠い)」からの名付けという説があります。
因みに青森以外では、弘前は「ねぷた」、津軽では「ねぶた流し」、秋田の米代川(よねしろがわ)流域から雄物川(おものがわ)流域にかけては「ねむり流し」。この「ねむり流し」という言葉は富山県にもあるそうです。
つまり、夏は眠いので、その眠気(ねむけ)を流してしまおうということです。

じゃあ、なぜ夏は眠いのでしょう?
それが、蚤(のみ)です。
太平洋戦争終結後に日本に駐留した米軍が全国にDDTを振り撒くまでは、今では想像できないほど多くいて、日本人の眠りを妨げたのが蚤でした。
夏は、蚤に悩まされて安眠できない季節でした。
「ねむり流し」には、笹の葉に蚤を乗せて川に流す風習もあるそうです。
また、江戸時代の芭蕉の俳諧の中には、「蚤をふるいに起きる暁」(明け方にどうしても眠れなくて着物の蚤を払いに起きた)という一節もあるそうです。

1878(明治11)年、イザベラ・バードという英国の女性旅行家が、横浜にやってきました。47歳の彼女は通訳兼従者として雇った一人の日本人と共に、約3カ月をかけて東北や北海道を巡ります。その数年後に著されたのが「日本奥地紀行」。
それにも「日本旅行で大きな障害になるのは、蚤の大群と・・・」と書かれています。

この「日本奥地紀行」をテキストに1975(昭和50)年前後に数度の講読会を催したのが、宮本常一(みやもとつねいち/1907~1981)。日本民俗学の泰斗であった人です。
この講読会で、宮本常一は自身の豊富な知識を交えながら、イザベラ・バードの旅を語っています。
「ねぶたと蚤」の話は、この講読会における宮本常一の話をまとめた「イザベラ・バードの旅~「日本奥地紀行を読む」~」で知りました。
「日本奥地紀行」以上に興味深く読みました。
原書を上回る注釈書。そういうものもあるのですね。

※東北の三大祭り:他に、「仙台の七夕」と「秋田の竿燈(かんとう)」。
※泰斗(たいと):泰山北斗(たいざんほくと)を略したもの。(泰山は中国にある名山。日本の富士山のような存在。北斗は北斗七星。)その道やその世界で最も尊敬される大家のこと。
※「イザベラ・バードの旅~「日本奥地紀行を読む」~」を読んで:明治初期の日本人のものの考え方などを知ることができます。読み進むほどに、現代の我々とは異なる部分の多いことに驚かされました。
よく用いられるフレーズ「日本人らしさ」とは、いつの時代の日本人のことを指すのか?

2025-07-29

語彙力次第の漢字パズル***7月29日

 2506漢字夏

~あなたの語彙力が問われています~

■の中に共通して入る漢字を考えてください。

(A) ■会・綿■・濃■

(B) ■字・■見・鑑■

(C) ■子・■金・本■

間違え解答と解説220629

2025-07-27

間違えたくない言葉と表現***7月27日

 2506言葉と表現夏


<1>間違っている箇所を訂正してください。

身の毛が粟立つほど怖い映画。 
 
<2>間違って使われています。その理由を。
「後ろ髪をひかれる」
海外留学する息子を見送る。後ろ髪をひかれる思いだ。

<3>使われ方や解釈で、正しいのはどちらですか?
「現を抜かす」
A) 現を抜かした空虚な理想論。
B) 芝居見物に現を抜かす。

<4>〔***〕を埋めてください。
〔***〕上の争い :小さな者同士の争い。つまらないことにこだわった争い。

間違え解答と解説220629

〔出典〕




2025-07-26

~零れ話~芭蕉の名句と原子力

 象潟や雨に西施がねぶの花(きさがたや・あめにせいしが・ねぶのはな)


「奥の細道」の旅で芭蕉が象潟を訪れたのは、1689(元禄2)年の6月15日(今の暦では7月31日になるそうです)。
芭蕉は、雨に煙る象潟を西施の憂う風情になぞらえて、この句を詠みました。
当時の象潟は、東の松島(宮城県)と並び称された美しい多島海。
「奥の細道」には、「江の縦横一里ばかり、俤(おもかげ)松島にかよひて、又異なり。松島は笑ふが如く、象潟はうらむがごとし。」とあります。松島を詠んだ句がない(※1)ことを考えると、きっと芭蕉は笑う松島よりうらむ象潟に強く惹かれるものがあったのでしょう。
因みに、西施とは中国の絶世の美女。王昭君・貂蝉・楊貴妃と合わせ、中国の四大美女(※2)といわれます。

この芭蕉の句、とりわけ「西施」の二字に導かれ象潟を訪れたことがあります。
驚きました。
多島海が多丘陸になっていました。
芭蕉が訪れた115年後に起きた象潟地震によるものです。

私が象潟に行ったのは、あの東北大震災の数年後のこと。
福島原発の惨事が否応なく思い起こされました。
日本の原発はその殆どが海岸部にあります。
象潟地震で海底が隆起したなら、逆に海岸の陸地が沈降することだってあるでしょう。それが自然の理(ことわり)です。
「桑田変じて滄海となる」は、通常は世の中の移り変わりの激しさを表すことばですが、この場合はそのままの意味になります。
そうなれば、津波どころではありません。

芭蕉に日本の原発の危うさを教えられた気が、今もしています。

象潟は、秋田県南部のにかほ市にあります。

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※1:有名な「松島やああ松島や松島や」という句がありますが、これは芭蕉より後代の田原坊という狂歌師の詠んだ「松島やさて松島や松島や」がその後変化したもののようです。芭蕉の句ではありません。

※2:中国の四大美女
■西施(せいし):春秋時代。越王・勾践(えつおう・こうせん)がライバルの呉王・夫差(ごおう・ふさ)を堕落させる目的で献じた女性。勾践の目論見通り、呉滅亡の因となりました。文字通り傾国の美女。※西施の顰(ひそ)みに倣(なら)う:西施が病苦に眉をしかめる姿がこの上なく美しかったので、醜女が自分も顔をしかめれば美しく見えるかと思い、まねをしたという故事。物事の本質をとらえず、うわべだけむやみに人のまねをすることのたとえ。
■王昭君(おうしょうくん):前漢時代。前漢の元帝が匈奴の王を懐柔するために贈った女性です。
■貂蝉(ちょうせん):「三国志演義」に登場する架空の人物。豪傑・呂布(りょふ)を骨抜きにした女性として描かれています。
■楊貴妃(ようきひ):唐時代。玄宗皇帝の寵愛振りと悲劇的最期は「長恨歌」(ちょうごんか・白居易)に詳しく描かれています。


2025-07-25

漢字の迷い道***7月25日

 2506漢字夏


<漢字の読み書き>

(A)  嗚咽
(B)  紙魚
(C) 〔おもし〕を置く

<同音異義語>
 ※意味を考え、書き分けてください。
(A)  入学式での校長先生の〔くんじ〕
(B)  朝のミーティングで、部下に〔くんじ〕をする。

<どの字を使う?>
 【当・充・宛】
(A)  後任に〔あてる〕
(B)  胸に手を〔あてる〕
(C)  生活費に〔あてる〕  
(D)  本社に〔あてた〕手紙 

間違え解答と解説220629
 

2025-07-23

この人は誰?***7月23日

 次の人物は誰でしょう?


1.1903(明治36)年~1971(昭和46)年  随筆家・山岳紀行家。  (現)石川県加賀市生れ。

2.代表作「日本百名山」は、山岳愛好家にとっての必読書。

3.ヒント画像:
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間違え解答と解説220629





2025-07-21

使える四字熟語***7月21日

 2506四字熟語夏


※問題文の意味に即した組み合わせを見付けてください。読みも忘れずに。

<水明・四海・四面・暦日・天下・山中・友邦・兄弟・山紫・山河・河青・楚歌>

(01)人里から離れて、山奥でのんびりと暮らすこと。

(02)真心と礼儀を尽くして他者に交われば、世界中の人々はみな兄弟のように仲良くなること。
また、そうすべきであること。

(03)周囲がすべて敵や反対者で、まったく孤立して、助けや味方がいないこと。また、そのさま。孤立無援。

(04)自然の風景が清浄で美しいこと。

間違え解答と解説220629




この人は誰?***8月3日

  1.1907(明治40)年~1960(昭和35)年 小説家。福岡県若松市(現北九州市)生まれ。 2.「糞尿譚」・「麦と兵隊」・「花と竜」 3.この人物の甥に、アフガニスタンの平和に大きく貢献した あの 中村哲氏がいます。 4.ヒント画像:右上がこの人物の肖像です。 =====...